ガス燈に届くよ 降りてきた霧が あなたを見たとたん 空もはにかんで ぽつぽつと 降り出した 甘い大粒の雨 気のきいた プレゼント 雨やどりをしてる 後ろ姿に 傘を さしだして 微笑んだ それからのことは 誰もと同じ ふたり傘のなか うつむいてただけ 淋しそうに 「もうすぐ雨が あがってしまうね」と そんなことばに おどろいて 「こんな日は 私好きじゃないわ」なんて 強がり言って駆け出した 思いがけずに 恋が始まり 思いがけずに 恋が終わったの 想い出してしまう こんな雨の日は アスファルトの路も ふたりも傘も 淡いグレイの ひかりのなかで 輝いていた恋 なにもかも 始まりそうで 雨やどりをしている うしろ姿に また 心ときめかせ 立ちどまっていた