イノミチ

歌詞

この場から早く逃げ出したくて 目の前に来たバスに乗り込む 行き先なんて知らないが 遠くに行けるならなんでもいい そんなバスの中にだって 他のお客様がいるわけで おやおや揃いも揃って暗い顔して このバスを動かす燃料 元はどんな風に生きてたんだろう お前を燃やすアイツだって 元は違うとこにいたんだろう すでに出来上がっている道を 何も考えずに進んでく ハンドル握る運転手に 命を任せている俺たち 一々気にしてはいられない 一人一人の命の重さなど どこへ徃く　どこへ徃く 俺たちの体は止まったまま 誰が作ったかも知らない箱の中で 何もせず　何もせず ただ、遠く、遠く　身を任せ ひたすら祈り続けては 降りた先のことなど考えず ゆらゆらとここちのよい振動 うとうとゆっくりうごく心臓 どうやらいつのまにか 眠ってしまったみたいだ 移り変わって行く景色 この席からの眺めも飽きたな こんなに長く乗っていたって どこも似たような景色ばっか そういや人の命運ぶってのに 本当こんな値段でいいのかい？ これが企業努力ってやつかい？ ハンドル握る手震えてんぞ それにしても 乗り込んでくる人たちは決まって みんなが暗い顔 ただ一つ不思議なこと 降りていく人たちみんな笑顔 生きたい場所が近付きゃ 顔も明るくなる そりゃそうか いつ降りる　なぜ降りる 何があるのか　降りたその先に 降りなければより遠くへ いけただろうに あの人は　あの人は 先に降りてったあの人たちは 今頃どこでどんな形して いきてるんだろう だれにも迷惑をかけずに なるべく誰にも頼らずに 出て来た言葉も押し殺し 閉じ込められたやつら 出て行くこともできずに 中で腐り始めちまったんだ また似たような景色だ 一体どこまで来たんだろう ああ あれさっきも見たな ってなんだこれ あれもこれも全部 おい まさか いつまでも　いつまでも ただずっと同じ場所を ぐるぐるグルグル 回ってるだけじゃねえの？ ああそうか　あの笑顔 気づいたやつが 降りってったんだろうな ぐずぐずグズグズ してらんねえぜ 笑いが止まらねえ さあ降りてやる　歩くんだ この自分の足で歩いてやるぜ どこにだって活けるんだ まだ気づかねえ奴がいるのかい？ どこへ結く　どこに結く こんな足で一体どこまで活ける？ 不安なんて一つもないんだ 当然だ 俺が人間だ