ろくでもない奴の銃弾が 背中から胸へと通り抜け 灰色の風景が 突然真紅に変った 俺にはわかる 塗り過ぎた口紅のように 真紅がはげ落ちて行き 白と黒の風景になったら 俺は死ぬんだと 気障でなければ生きられない 甘えていたなら 生きてる資格はない 生れてみたけれど 世の中は 思うほどきれいなものじゃなく 絶望と滑稽が 青カビみたいに取りつく 俺にはわかる 湿り気がなくなれば カビも 普通のホコリになって 風の中に飛び散って行ったら 俺は死ぬんだと 気障でなければ生きられない 甘えていたなら 生きてる資格はない あばよ フィリップ・マーロウ 天国で会おう あばよ フィリップ・マーロウ 天国で会おう