まだ愛らしい 少女が微笑む セピア色に染まる 古びた写真で 懐かしいひとが此処で 今も生きる はるかな時をこえて なにゆえに遠い日々のぼくの愛を 昼ざかりのガラス窓に見せてくれる 泣きべそなのに 泣かないあなた 十年笑いつづけるあなた 浪漫写真館 十七八の瞳の光に カメラさえも何か たじろぐ様子で 美しい季節を止めて 窓に飾る いったい誰のために この顔は 恋の前か 恋の後か ほろ苦さをからめながら思い悩む 逢いたいけれど 逢えないあなた 若さのままで見つめるあなた 浪漫写真館 泣きべそなのに 泣かないあなた 十年笑いつづけるあなた 浪漫写真館