通り過ぎていった 遠く向こうへ 季節がひとつ終わったみたいだ 手を振る影が次第に薄くなる 霧がかっていく視界が とうにすぎた 私たちは何も持たない 汐風の記憶ひとつ 遠ざかった 息つくひまもなかった 遠く上がって 風吹く海辺向かってた 分かっていたっていい 尽くした言葉 あれから顔を出した焦燥の 蓋をして抱えて走っていく 遠ざかる夢をみる 遠く気配かき消す 遠ざかった 息つくひまもなかった 遠く上がって 過ぎし日を思って夢を見た わかっていたっていい 尽くした言葉 空と大地のあわいを曖昧に日が 落ちる 抱えて走っていく 通り過ぎていく