呆れる程に騙し騙され 仮面で隠せない表情 ゆらゆらとまだ微かに残る 夜の境界線 影だけが揺らめく 蜃気楼に気付けなくて 踏み外す爪先 まだ夢を見てた私が 苦しいほど綺麗に赫く 深くまで染まって沈んでゆく 絞り出された本当の声も この体には二度と戻らないでしょう 歪みきった喧騒の上澄みに 溶け込んだフリ できない私を塗りつぶす 満たされる事ない紅で 迷い迷っても見つけられない 何者かの存在証明 ふらふらとまだ微かに残る 拗れた自意識 擦り切れた脚本 なぞることもできなくて 踏み出した爪先 もう前も見えてないのに 呆れるほど綺麗に赫く 深くまで染まって沈んでゆく 探し続けた本当の愛も この心にはきっと宿らないでしょう くたびれたキャンパスに描いた夢に さよならできない私を塗りつぶす 結末の見えない紅で ねえ 私が見えますか 何色をしていますか どうか答えて 全て失う前に 苦しいほど綺麗に赫く 深くまで染まって沈んでゆく 音にならない本当の声を 誰かに向けて叫び続けるのでしょう 傷付いた指先で掴んだ光 投げ捨てられない わたしを塗りつぶす 苦しいほど綺麗に赫く 深くまで染まって沈んでゆく とうに潰えて消えた希望に 踊らされ続けて 生きていくのでしょう いつの間にこの心深くまで 抉った傷が痛む間もなく夜が明けて 突き刺した光に溶けた