時計をしつこく覗き込んだ。 残りは2時間弱ぐらいか。 あなたは何時も選び放題の席、 観づらいトコを敢えて選ぶ。 ダイジェストでも刺さりそうな、 あなた好みのロードムービー。 ”シカゴミックス” つまみながら駄作を評論しよう。 「幾つ祈りを集めたって、 起きない奇跡も在るの」って。 そんな現実はフィクションで 隠して。 「まだ打つ手が在る筈だ」って、 今欲しい言葉求めて、 暗闇に咳払いを響かせる。 ねぇ、どうして幸せになりたくて、 こんなにも痛ぶられてるんだろう? 僕は少し空腹なぐらいがいい。 感性も棘も奪われて行く。 呼吸の乱れを感じて、 振り返りそうになるけれど、 前を向いたままで居るよ。 あなたは プライドの高いヒトだから。 隣でこうしていれば寄り 添っているようでも、 お互い別の席に座って、 別の角度で見ている。 誰も教えてくれなくて、 ただ創り出すしかないんです。 この作品も、"君" が生きて行く意味も。 舞台挨拶の幕間で堪らず僕ら席を 立って、 花束と拍手置いて違う道へ。 知らんフリしたのに泣かないで。 また抱き締めてしまいそうになる。 最後は決め台詞で笑い合おう。 「ありがとう」と「ありがとう…」 を遺し。