神保町のきみは古本売り 薄汚れたダンボールに 並ぶ無数の中古書籍 まるで目立たない その名は知らない だから古本屋さんと呼んでいた 桜色の髪飾りがとてもきみに 似合っていた ねずみ色の面影さえ、今は記憶 懐かしいな 資格で報酬アップ 絶対負けない討伐2級編 草むしり検定3級 「これ、下さい。」 初めてきみのその手に触れて あたりはいつか夜になって 今日はありがとう、もう帰るね 移動式のきみは古本売り 報酬で今日も本を買い、 読み終わり、そして、それを売る なにも話さない そんな不思議な きみを古本屋さんと呼んでいた 遣る瀬の無い春が過ぎて 桜の花も枯れる頃 メトロに見つけた花弁 あのこはまだ元気かな 神保町のきみは古本売り 薄汚れたダンボールに 並ぶ無数の中古書籍 まるで目立たない その名は知らない だから古本屋さんと… そんな古本屋さんが、 ぼくは古本屋さんが好きだったよ 「あなたがこの カチューシャをくれたあの日に わたしは、 はじめてこの感情を知ったんだ。 だから、 何があってもあなたは死なないよ。 わたしが必ず、守るから。」