吹き揺られる 枝に灰を 湖に影を 遥か彼方 樂土の末 心充ちる 核が溶けて 岸辺に立ち 歩み止める 小さな墓 空に潜む 熱が届く 何を魅する 悴む手で拾い上げるのは いつかの解答 その一遍 束の間のうつろい過ぎれば 運命を穿つ矢先に油と灯を落とす いたましい骨はすべて食べて 雪のごとく 愉しげに踊った 絶えずに 沸き上がる よろこびをひとつ 荒削りの氷面鏡と綿帽子が 反射しては散乱する 夜明け前に 流れ落ちても恋しく 花に見えない愛しさ 明窓 玲瓏 風雪 凍結 底の暗きむなしさ 離れ離れの体温を取り戻した 脱ぎ捨てた服も 新しくして子どもに戻る あまりある才は愚か 張り詰めた氷上 踵鳴らし歩いて行く 夢にも知らないで いつしか垂れ込む露も 遠いどこか