夜の冷たい空気に漂って ポツリとここに小部屋がひとつ 寝静まった街にふわり 浮かんでポツリとふたり らーんらーんらーんらーん 眩しく歪む まどのそとの声 わーんわーんわーん 耳元残る まどのそとの夢 こんなところはふたり飛び出して 今夜どこかへ行こうか 誰にも気づかれないうちに 壊れていくモノが怖いのならば 全て捨ててしまおうか 腐っていくモノが嫌なのならば 少し気づかぬフリをしようか ぷーんぷーんぷーん くさい匂いは はてなどこからか ぶーんぶーんぶーん 飛び交う羽虫 暗い部屋の隅 こんな暮らしはふたり抜け出して 今夜遠く逃げようか 誰も起きてこないうちに ここはもうだめだ だめだ それは誰より分かっているから ぐーるぐーるぐーるぐーる こんな気持ちは はてないつからか 知ったこっちゃないものごとは もうここで捨てていこう ずっと望んできたモノ なにもかも ハナから無理なこと どうせ どーでもいいこと どーでもいいこと 夜の冷たい空気に漂って ポツリとそこに小部屋がひとつ 寝静まった街の底 鈍く光る まどのそと