錆びた階段をのぼった先に ふたりだけの空があった 放課後の音が消えていくたび 私たちは そこにいたよね 誰にも言わなかった 他愛ない話も あの日の風だけが覚えてる 鍵のない屋上で 君と笑った午後 空っぽの未来が ただまぶしかった 好きとか言えないままでも あの時間は きっと恋だった 壊れたベンチに並んで座って 君は私をからかってばかり でも時々 黙るその横顔に ドキッとしてた 私がいた 今さら気づいたよ あれは初恋っていうんだね 遅すぎるけど、ちゃんと思い出せる 鍵のない屋上で 君が書いた落書き まだ誰にも 見つかってないかな 遠くへ行ってしまったけど 私の一部は まだそこにあるよ 会えないことにも 慣れてしまった でもふと空を見ると 君が浮かぶ 帰れない場所だって 思い出は 嘘をつかないから 鍵のない屋上で 君と交わした沈黙 言葉より近くに 心があった 過ぎていく季節のすき間で 今もそっと あの空を探してる