氷でできた月は朝焼けに飲まれたよ 目の前の痛みには 雨のように打たれたよ ひとつにはなれないよ どれだけ深く繋がっても 深海の部屋で眠るだけ 潜水艇の舵は泳げない君に任せたよ シミのないシャツのような 無垢な鯨に追い付いたよ 巨大な円盤を支える象と亀の分も 空中都市への道を探す 顔のない鏡には 見透かされて疲れたよ 張りぼての飛行船は 羊のように見えたよ 言葉にはできないよ それでも繋がっていたいよ 月面の国に二人だけ 人形ごっこもうやらないよ 残ってる体温 冷えて消えて 秘密のおまじないもやらないよ 纏ってる愛も冷えて逃げて消えて 草木はただの記号 飛行機雲は見なくなった 理不尽な苛立ちと 理解されない苦悩と日々 空っぽの荷物と 靴はずっと濡れたまんま 目が覚めたら忘れるような 夢の中へ戻りたいよ 人形ごっこもうやらないよ 残ってる体温 冷えて消えて 秘密のおまじないもやらないよ 纏ってる愛も冷えて逃げて消えて 臆病な私には 別れの言葉は言えないよ 傷跡のない傷は 死ぬまできっと癒えないよ 祈っても会えないよ 深海で待ってるよ 月面から飛び降りるだけ