揺れる街灯の影と管制塔 またよく似た話をしよう 巡る体験と滲む残響音 遠い耳鳴りが消えない 二人の隙間にかげろふ言葉一つ そっと捧ぐ様に 思い出も春霞み うつろふやうに時間が経った 「覚えてる?あの日のさ、」 辿る軌跡 ふわり風が吹けば 貴方のにおいも消えてしまうでしょ 止めようにも止められないもの また巡るから 終わりまで続けば 私の色も褪せてしまうんでしょ 揺れる感情と落ちる解像度 またよく似た話をしてる 貴方の手を握った 散る花もきっと辛いけど、 色褪せていく花びらを見守るのも 心穏やかじゃいられないわね ふたり歩んだ日々は 言葉にしようとしてもきっと 綴ろうにも頬を伝うから また滲み出す この詩を結ぶ頃には 春の雨が降って ひとひらの思い出だけは 雨曝しにならぬように この手から消えないでいて (Ending)