貴方と結ばれるのならば 他に何もなくていい 通じ合ったその瞬間だけを 抱きしめていたい うなじに咲く赤い印は めくるめく夜の戯れ 上書いてはまた疼き出す 熱をどうか鎮めて 息遣いの中響く 貴方の名を呼ぶ私の声 この目に映る姿は 似ても似つかない紛い物 貴方と結ばれるのならば 他に何もなくていい 通じ合ったその瞬間だけを 抱きしめていたい 汚れた指 這わす舌先 熟れた夜の後始末を 寝息一つ部屋に残して 背中越し閉まるドアの音 貴方じゃない誰かとならば 別に意味もなくていい 満たし合ったその瞬間だけを 抱きしめていたい だけど 貴方と結ばれるのならば 他に何もなくていい 通じ合ったその瞬間だけを 抱きしめていたい