Track by池谷 唯
ベランダの隙間から 見えた隣の部屋 錆びた時の中を 蝿が舞う 夏雲は気紛れ 突然の夕立を 浴びた僕の横に 君も立っていた 君の寂しい言葉に 僕は頷くけれど 君の煙草の煙には 返事が出来なくて 嘘を一つ吐(つ)いて 夏の空と消えた 鼠色の街で 溺れてしまったかな 今僕もあの頃と 違う街に一人 分かるよ この悪い夢に 怯えていたのだね ベランダの隙間から 見えた隣の部屋 錆びた時の中を 蝿が舞う