くすのきの匂いのする頃には 雨も上がり空は抜けるよに青く スプレーで描いたように 昇り立つ憎いやつが我々を待つ 細い歩道橋 階段の入口が 今年の夏も秘密基地 アスファルト逃げ水の向こう 続くひまわりと話す海への道 もう僕には時間がなく 残された宿題を解くこともない ほどくことのない つっかけた 靴の紐さえも 行方が知れない 幸せな眠りの為 午後の眠気を避け待った通り雨 だから今だけはもう少し 風よなげ 深くそして青く 板間で寝たので今日は体がだるいや 不動岩まで行こう 海底 花崗岩のあいだ くもり水晶をひろいに潜ろう ほら フシグロセンノウと まさに燃えるよに 狂って咲くホウセンカ うみを吐き出す為立ち尽くす 細く濃い影うつして炎天下 あまり遠く行き過ぎるので 忘れることもあまりに多すぎる 消える水たまり小さくなればもう 昔の空は映らない 目を開いても痛みはせず 静寂が支配する季節 失う前の一瞬 輝きを増すいつもの青い夏 I reminisce.... もうそろそろそんな季節が やってくるのでしょう 望もうと望むまいと 10億光年の彼方から やってくるのだから 抗いようもなく鮮やかな色を見せ 待っていたのでしょう 失った秘密基地や煙水晶 絶え間なく不可逆の変化を続け 膨張する空 人は言う「夏は己が胸中にある」と 郷愁という言葉に夏はないけれど 地蔵盆が開ける頃には 雲の形も変わり涼しくなり 水に酔って 酔っ払って眠る 眠りが少し記憶を遠ざける ただ もう少しこのままで 「時よとまれ、お前は美しい」 入道雲は僕らの季節 まどうことなき あれは青い夏 I reminisce.... 入道雲は僕らの季節 そうあれは青い夏 歩道橋から見えた海と空を分かつ 入道雲は高くそびえ立つ まどうことのなき あれは青い夏 暮らす日々は尽きるを知らず 一瞬でさえも永遠に不滅 切り傷 逃げ水の向こう 逆光で待つあれは青い夏
