Track byのあ
裸足から溢れる夏が指の先で淡く 滲んだ 咽ぶ蝉よりも遥かに永く 哭いたこころ 陽炎に確かなあなたの姿を見たから 寂しいや 項垂れた黍と並んで背を 比べたその時のままで 夏はまだわたしを呼んで 離してくれない 振り向けばそこに在る悲しみより ずっと夢を見ていたい 夢を 灼き付いた肌が柔く熔ける頃 きっとまた会えるね 張り付いた髪をかきわけてあげる たったひとひらの夏 止まないで! 夏がまたあなたを呼んで 離してくれない 振り向けばそこに在る悲しみより もっとあなたと居たい