飢え

歌詞

これは誰かに捧ぐ唯一のバラード 家族３人で住む町営のアパート 中卒の母は身を粉にして必死で アルバイト 底辺である事を誰にも悟られまいと 朝のおかずはフリカケかたくあん 晩は塩サバ一切れもあれば沢山 週一で来る生協があの頃一番の贅沢 一瞬で食べ切ってパーになった計画 絵に描いた貧困の原因は離婚 コブ持ちなんかにできない再婚 ようやくできた男は紛いもん クズのイタズラはスルーする才能 サンタも来ないし参観日も来ない 空腹を埋めるために不満さえ飲み 込み 夜勤明けを妹と待ってた 青春の一節は飢えながら生きてた 一枚一枚稼いだpaper 出たとこ勝負で舵は切れる 身銭があっても満たされない あの日々の飢えが俺を縛る 一歩一歩進んでpay back 肥やした私腹もたかが知れる 食っても食ってもback in the days あの日々の飢えが俺を縛る 2007年10月の18日 母さんが起きないと妹の呼び声 向かった寝室には冷たくなった体 もう脈はないのにいつもと 変わらない寝顔 テンパった18歳は着替えを開始 救急に電話しろと12歳に怒鳴り 自分の未熟さを修羅場だと誤魔化し 茫然の昼下がりを秋晴れに溶かし 選択の余地なんてのは恵まれた証 俺の世界じゃ反抗期すらまやかし 貧しいまま死んでったオカンの魂 親孝行したい時に親はなし 自立先も寄生先も失った少年 飢えたまま未だ巣立てないまま 着の身着のままのように 見えるこの背中 あの日の影を今も背負いつづける 一枚一枚稼いだpaper 出たとこ勝負舵は切れる 身銭があっても満たされない あの日々の飢えが俺を縛る 一歩一歩進んでpay back 肥やした私腹もたかが知れる 食っても食ってもback in the days あの日々の飢えが俺を縛る 一枚一枚稼いだpaper 出たとこ勝負で舵は切れる 身銭があっても満たされない あの日々の飢えが俺を縛る 貧乏で育っても真っ当に生きてる 人の道は外さずに定職にもついてる いつか教わった言葉の数々 今はそれを俺が好きな歌に変えてる 「そういや俺にも娘ができた 誰かに似て天真爛漫な子だ 大丈夫、心配にはおよばねぇ あんたの孫は俺が飢えさせねぇ」