哲学者がドアを叩く。 細い声帯を震わせ、 「死んだら始まるよ。」 訳の分からない服を着て 訳の分からない言葉で 僕らの有限性を問う。 正方形のこの部屋。 褐色の救命道具。 無重力のまま真っ暗闇さ。 さかさま重なる様。 いかさま、数かぞえる。 哲学者はドアを閉める。 長い首を捻りながら、 「死んだら始まるの?」 質疑応答の中、目は虚ろ。 終わりを見てしまった開かずの間。 さかさま重なる様。 いかさま、数かぞえる。 もう誰の五体も満足じゃない。 化学が想像を超えていく。 さかさま重なる様。 いかさま、数かぞえる。 さかさま重なる様。 いかさま、数かぞえる。