「最悪だ」っていうけど ごらん 芝生の上じゃ ふらふらと 可愛げなバドミントンの羽根が いったきたり 大きなシートひろげた 知らない家族のこどもが きみにわらいかけて 不満をぼくに 爆発できない 瞬間 それが 今日いちばん おかしくて ぼくは 絶望を手放した 「退屈だ」っていうけど ぼくら 見つめ合うふりして いつだって 肝心要な Shutter Chance 押せず 逃していたり そういやあの時どうして? きみに芽生えた叫びを 手のひらで圧し殺して うつむいて ごまかしはじめたんだろう 瞬間 それが 今日いちばん 苦しくて ぼくは 絶望を呼びよせた 憶えてくよ その瞬間 酸いも甘いも すべて焼きつけて 瞬きするたびに記憶のなか 小さくなってゆくよ 徐々に みえない視線に 湿り気に まやかしに くるまれて 言葉は白んで落ちゆく 生まれたばかりの 歌声や 笑顔や 友達の子供や 泣き声や 怒りの手や 踊る腰が 目前 浮かんで消えてく そして 何ひとつ 掴めずに ぼくら 絶望に染められても はりさけるよ その瞬間 酸いも甘いも すべて 焼きつけて 瞬きするたびに 地獄の花 憶えてるよ この瞬間も 忘れたくても すべて焼きつけてる 瞬きするたびに記憶のなか