もしもし、 私の声が聞こえていますか? 聞こえているのなら嬉しいな また、 後ろ姿だけを見せてしまったことを 貴方は怒っているでしょうか? この海は 少しだけ私の気持ちを 和らげてくれているみたい 帰ったら、 もう一度お話ししましょう 地平の彼方より 身動ぎ空回ってる 問い掛けは虚貝の文様 仕切り無し 吹き上がってる 物憂げな合図に倣って 清風が去ってゆく 手向けも無しに 君は「泡沫になっても同じ」 なんて稚拙に笑っている 浮かぶ白鯨だけが知っている 遠い水平線に 消えてしまう後悔を 終わってない夢で 満たされた海 潮騒のように在る 君は振り返らず 振り返らず 青になれ 変わってない街も 思い出せない 不揃いな世界だが 明日に見蕩れたなら 見蕩れたなら 願えよ海上のタリア 一人で波に映る記憶を 掬って泣いている 終わってない歌の 結末はただ 落涙のように在る 君は空の果てで 空の果てで 青になれ 「変わってないのなら」 それだけを乞う 闇雲な命だが 明日に溺れてでも 溺れてでも 願えよ 眠るように この言葉は届かないな 笑うだけの少女はまだ 海上のタリア 海上のタリア そう、彼女はサンビタリアのような 女の子だった それは海上で唯一咲いた花のようで 青に消えてゆく後ろ姿が鮮明だった また、会えたらお話ししましょう 私もずっと待っています 果てからずっと遠くの街より