正しく歳を重ねた僕はサボり方が 分からないから 鈍行列車に揺られまたひとつひとつ 機会を通り過ぎていく あちらの線では正しさを 真っ直ぐに掲げ生きた者が勝者 嘘つきな僕には無理だと またやらない理由を探して乗り 過ごす 暗い思想、要らん邪推の不快指数 胃酸は逆流 いつから 見えないものに怯えてしまって 被害妄想、君にしか見えない その影のはじまりには誰が 立っていたんだろうか 大人になるということは 夢を夢だと笑えること 諦め方も分からないまま 心に反して笑えてしまうこと 「もしもあの時…」が積み重なって 幾つもの僕が同居する 僕の内ではいつも誰かが口を塞いで 息をひそめてた いつの間にか擦れてしまった ひと息の機微を思い出して 何回だって笑えるような無邪気な 心でいたかったんだ 心が痛かったんだ 大人になるということは 2度目の景色に慣れてしまうこと 明日への期待が減る代わりに 少しだけ強くなれること 鈍ったはずの心も一瞬の痛みで 揺らぐのさ 忘れられないことも多くなって 大切な傷も増えていった まだ笑えるか僕の感性よ まだ泣けるのか僕のこの人生で 正しく歳を重ねた僕はサボり方が 分からないから 鈍行列車に揺られ ただひとつひとつすべてを 拾い集めてく 大人になるということは 大事を一口分け合えること 満足気に笑う"未来" (あなた)を横目に 少し勇気をもらうこと 大人になっても 変われない心があるから まだ続けているんだろう?
