がんぷという少女の一生は、 とてつもな く空虚なものだった。 誰からも愛されず、 誰からも認められず。 ずっと一人で遊んでいた。 それが災いとなった。 「日が変わるよ」 その日、彼女は階段から転げ落ち、 その拍子に体内時計が 止まってしまった。 成長の止まった幼い姿で、 今日も街を彷徨っていく 道行く人々は 彼女の存在に気づかない。 でも、時々夢に見るんだ。 会ったことがないはずの、 ピンク髪の 少女を。 中には夢を追う者もいた。 しかし、彼女を生身で見た者は誰も いないという。 それもそのはず、 彼女はもう、この世の人間では なくなってしまったのだ。