投げ打ったテキストを啄む風は 投げ捨てた 最後を まだ届く前に 同じ防波堤に潜む子どもたちは 近づいて見ていたんだ もう気づいている きっと 夜になって顔を出した交差点は 黄と青黄と赤になって 嘲笑っていた 波に浮かぶ 光の沈む方へ 泳ぎ切れば明日をふと吸い込める すっと震え出した海の目は僕の方を 見ながら 竦む手でその足を抑えていた 溢れる意味が見えていたって 流されてしまうものが 遠くへ 遠くへ 遠くへ ふらめく夜に光は 知らせようとしていたんだ “遠くへ 遠くへ 遠くへ” 震えながら海に掲げた雨傘が 破れる頃には君は間に合うさ もうどんな雨でも 止むまで降るなら 海が尽きるまで柄を握る 躓くように波が立って 流されてしまうものが 遠くへ 流れる海が見えていたって 委ねられないものと遠くへ 生きていける