彼をなぞる単音の繰り返す日々を 何度だって反芻する 十字架に抱きついて蝉になれたら 十日だって生きられず死ぬ命に 上がりきらない君の声と鬱とを抱え 込んで 君は確かにそこで僕を誘っていた 目の前の君を幻と認めたら 僕の存在だっていつしかは虚空の砂 彼をなぞる単音の繰り返す日々を 何度だって叛服する 十字架を読み上げ罪になり往く 一度だって耐え絶えずいるは火の鳥 下がりきらない僕の熱と鬱とを抱え 込んで 僕は確かにそこで君を見つめていた 半ば君ではないと 感じながら瞬きもせず君の尾びれを 混ざり合わない僕らずっとこの鬱を 抱え込んで 君は確かにそこで 僕は確かにここで溺れていた