きみよ この風の声を聞かないか この大寒の梅ヶ丘に どこからともなく吹きあげて 恋の ゆくえ知らぬ不安を告げる この風の声を聞かないか ほら 目に沁みる名残り雪のうえを 吹き渡るのは 涯てしなく清楚な風 ああ そこに何かが揺れている Ah Ah Ah Ah きみよ ああ 愛というには幼なすぎ 友情というには拙なすぎる ぼくたちのこころを 揺さぶっているこの風を…… 崇高な哀しみにも似た 涯てしない感情を どこからともなく運んでくる この限りなく清浄な風の声を…… ふたりで聞いてみないか 芽ぐむのは梅の木だけではないと ひそやかに告げている この風の声を きみも聞かないか