遠く遠く届け僕の小さな声 少し長い袖に手を通して まだ硬い革靴が重たく感じた 先を行く春の匂い 揺られながら後を追った ひらり舞う花びらの 香りどこか懐かしくて 追いかけていた ゆらゆらと春風に乗せ 遠く遠く届け僕の初めまして 少しだけ昨日よりも踏み出す一歩が 大きくなったような気がした 新しい明日を連れて ひらり ひらり 風がなびく ちょっとだけ今朝嘘をこぼした 心配ないよと自分に言い聞かせた 淡々と進む足は重たくて 軽い鞄 肩に擦れた あの交差点過ぎた先は真っ直ぐで 変わろうとする 季節においてかれるようで ねえ耳をすませば 聞こえるかな 小さく揺れる僕の声が あと少し大きな一歩踏み 出せたときは 春の色に染まるよ すれ違う花びらの名前を 覚えるたびに 春の色 風の匂い きっとほころんでくれる ゆらゆらと ゆらゆらと ゆらゆらと春風に乗り 遠く遠く進め僕らの物語 まだ未来は見えないけれど 花びら舞う今 一つずつ捕まえて 新しい明日を連れて ひらり ひらり 風がなびく