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天才でごめんなさい

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  • 2025.02.16
  • 7:01
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歌詞

ああ、小さい頃は、 「バカ、バカ、バカ、バカ」 言われて、 誰も天才って言わなかったよ。 中学、高校でちょっと褒められて、 天才になれるかと思ったら、 やっぱり都会の天才には 叶わなかったよ。 なんだい東京!この東京! この東京は、ハハーン! まるで! 汚れていたばかりの隅田川。 魚が一匹も住まなかったのに、 今は綺麗になったけど、 でもやっぱり東京は、 ほんとは綺麗な川じゃないんだよ。 ハッハッハッハッ…! 田舎の川では、水が澄んで、 魚はみんな綺麗に見えるのさ。 ああ、天才!天才!天才!天才! 百回も、千回も、 繰り返したかった。 幼稚園から天才で、 保育園から天才で、 生まれた時から天才で、 小学校も天才で、 中学校も天才で、 最後まで天才でいたかった。 だけど大都会では、 「凡才だ。凡才だ。 凡才だ。」って言われ続けた。 こんな世の中おかしくないかい。 田舎者が都会人のふりをして、 都会人が田舎者のふりをして、 笑いを取るのが精一杯なんだよ! 何でもいいじゃないか。 自分の道を突き進む。 やってやって、やりまくる。 やってやって、やり抜く。 そして、天の窓に穴を開けて、 星空に飛び上がる。 満月だって駆け上がる。 お空の上に飛び上がる。 フェアリーテイルじゃないよ。 私は空の頂点に飛び上がって、 「天才だ。天才だ。 天才だ。」って、 一万回ぐらい言ってみたかった。 でも、生まれつきが、 目は小さいし、 鼻は上向いて、 頬っぺたの下は垂れ下がって、 口はバクバク食べるばかり! 「何にもいいとこない」って言われ 続けてきたんだよ。 外見は悪くって、頭は悪くって、 心は汚くて、 そして、「何にも取柄がない」 と両親に言われ続けて六十数年。 やっとこの頃、小さな声で、 草葉の陰から、 死にかけたコオロギが、 「天才だったかもしれないね。」っ て言うんだよ。 もっと早く言って欲しかった。 ワッショイ、ワッショイ、 ワッショイ… ああ、秋祭りにゃ、発狂したいよ。 走り回りたいよ。 日本中走り回って叫びたいよ。 俺の青春返してくれ! 俺の中年返してくれ! 俺の幼年期返してくれ! 天才に生まれて褒められ 続けたかった。 なのに実際は、 「泥亀。泥亀。 泥亀。」って言われ続けたよ。 それを半世紀超えてやり続けたら、 みんなも呆れて、 とうとう認めてくれたのさ。 だから君も諦めちゃいけないよ。 百歳の天才も、 あるかもしれないよ! 百十歳の天才も、 あるかもしれないよ! 百二十歳で「天才でごめんなさい」 と言うことも、 あるかもしれないよ。 ホイホイ、ホイホイ、ホイホイ。 ホイホイ!ホイホイ!ホイホイ!

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