醒めない夢に夢中で縋り付いた 深夜の誘蛾灯に引き 寄せられるように ずっと此処にいる理由が欲しいだけ この夜が 綻びる前に 捨てて来た景色がまた僕を惑わせる 出口の見えない蜃気楼の中で 降り止まない雨が足跡を飲み 込んでいく 狂えたら 楽になれるのに 傷付け合って生まれた痛みが 鎖となって この世界が続いていくのだとしても 正解だと信じた旅路で僕らは 壊れた嘘を繰り返す 小さな箱の中で あの子はずっと泣いている 止まったままの心も 埃被った後悔も ぜんぶ飲み込んで 空白 冷たい鍵盤が弾いた祈りは 血の気の引いたような 空に溶けていった 命の使い道を きっと間違えたんだろう とっくに朽ちた夢でも 縋り付いていなければ 心に空いた穴に吸い込まれそうで “ニセモノ”にすらなれない 不完全な僕らは 壊れた嘘を繰り返す 壊れた嘘を繰り返す 「どうかあの子を救って」 鏡の前で叫んだ 止まったままの心も 埃被った後悔も ぜんぶ飲み込んで 輪郭の無い願いも 明日を奪っていく逆光も ぜんぶ飲み込んで 空白