君の心臓にせめて絆創膏を貼って 強く強く抱きしめられたら 君の記憶に今すぐ薬を塗って 全て全てなかったことにできたら お月様どうか2人を見逃して 君の涙をバスタブいっぱいにためて 今夜は溶けるようにこのまま 眠りたい 君に突き刺さる透明なナイフを この世の言葉じゃ 抜くことができない 頭を撫でて傷口を舐めても ボロボロになって汚い君が 美しかった 今夜誘拐犯になって君の日常を 奪い取って 夜の隙間をくぐり抜けて お月様どうか2人を見逃して きっと君のいない世界にもう 未練などないのだ その場凌ぎのエゴにまみれた 浅はかな奇跡が 嘘っぽくって空っぽで 軽々しくって胸焼けがするよ 嫌味や皮肉を吐けない代わりに 昨日の晩御飯をできるだけ吐いた 「明日は来るよ」と誰かが歌えば 「確かに来るけど地獄が来るよ」 と君が笑ったんだ 今夜誘拐犯になって最後のトドメを 刺したげる 二度と明日が来ませんように お月様どうか2人を許して 今夜誘拐犯になって君の日常を 奪い取って 夜の隙間をくぐり抜けて お月様どうか2人を見逃して もうくっついてしまうんじゃない かってぐらい君と手を繋ごう この喉が張り裂けて血が出ても 君に好きと言おう きっと君のいない世界にもう 未練などないのだ