とびらを開き 歪んだときを見つめて 理解できたか この切れ切れの地平を 扉を叩く音がする かすんだ声が響いてる 横たわる僕の指先に 息を吹き込んでくれる 重いまぶたの裏側は 透明な虫が泳いでる 赤い流れの端ばしに つかまりながら遊んでる いつのまにやら 曲がりくねった 道にはり付き ここにきている 時計の針の回らない間に 目を閉じ続けて 鯨の背中とベッドを 何度も往復している 世界の上と下に行き 割れたレンズをかき集め 貼り付けのぞく箱の中 鈍い光りを放ってる いつのまにやら 僕とおんなじことを考え ここへ来ていた うわついた心ときめかせ 瞳の中で息をのめ くすんだ灯かりに向かって しなやかな指でペンを持て 鳥になってる僕の目に すれすれの高さで飛び込め 空白の時を埋め尽くせ 君の奏でるヴァイオリン