赤いバラの花束 強く抱きしめては 二人 小さな刺に 傷つく心 青い東の窓に 朝焼けが来るころ 写真立てをたたんで ただのわたしに帰る いたずらに 止めた季節 涙は いらないわ バスタブのふちに 腰かけ 冷えきったつま先 暖めるの 壁ぎわとテーブルと ベッドの時計たち すれちがう秒針が ワルツを刻む ひとりぼっちのわたしを 心配しないでね しばらくはしずけさの ささやきで踊らせて 月あかりのまぶしさが 洪水のようだわ 辛い思い出など 捨てて 夜明けまで かるがる泳いでゆく だから いいことだけを 信じればよかった あなた 悩ますことも もうできないの シベリアからの風が 二人に吹き寄せて 最後の日曜日を だいなしにしてしまう もしも 偶然 街角で 出逢っても 気づかぬふりしましょう 赤いバラの花束 強く抱きしめては 二人 小さな刺に 傷つく心 ひとりぼっちのわたしを 心配しないでね しばらくはしずけさの ささやきで踊らせて