目に映るモノタチに騙されてゆく ゆがむ砂時計 紛(まご)うまやかし 大切な風景も砂塵のように 跡形もなく散る 私じゃない私が 声もあげず虚空に消えてゆく 風のうねりが耳元で責め立てる 纏(まと)わる不安と 絶望に飲み込まれ 感情も失って涙も乾涸(ひから)びた 私の代わりに誰か生きてくれないか 繰り返すアヤマチに流されてゆく まわる砂時計 惑うまなざし 波打った心臓が 化石のように硬く殻を閉ざす 夢の中の私が 悲鳴もあげず 虚無に堕ちて消えてゆく 強がったままで築いた虚像が 目の前で全て崩れ落ちる ころがった欠片拾い集めて 握りしめた手に滲む痛み 孤独な嘘でまた私を傷つける 消せないファントム 夢魘(むえん)に取り憑かれ 幻想を引き摺って醜く這う涙 風のうねりが耳元で責め立てる 纏(まと)わる不安と 絶望に飲み込まれ 感情も失って涙も乾涸びた 私の代わりに誰か泣いてくれないか