波の中で揺らめいたいつか 捨てたもの 諦めきれずに触れては消えた 棘のない道を選んだぼくは愚か者 ボロボロになったきみを 横目に見ながら きみの痛いところへ指を伸ばして さするほど優しい距離を 保てないから 近づけないように棘を纏って そっと目を閉じて夜が明けて 夢が終わるのを待つでしょう 棘のない道を 選んだぼくにできたのは 自らその身に棘を宿すこと ありとあらゆる方法できみを 拒むのは 優しくされると甘えそうになるから きみが痛いという 声聞きたくないから 不器用で 冷たい距離をとっていたのに どうしてそんなに泣いているの じっと縮こまって耳を塞いで 聞こえないふりをするよ きみの痛いところへ指を伸ばして さするほど優しい距離を 保てるのなら いますぐにこの棘をはがして 波をかきわけて深いとこまで 潜るのに きみの痛いところへ指を伸ばして 波の中で揺らめいたいつか 捨てたもの 諦めきれずに触れては消えた