Track byFor Tracy Hyde
心の岸辺を発つ日は いつだってこんなふうに、 とめどない寂寥の風が 旗を翻していた。 小麦の穂が鳴らした 頼りないリズムで、 ささやかに祝福をしよう―― 僕らの舟出を。 涙の川をスロウボートは進む。 愛が照らしているあの大きな街へ。 限りあるストーリーから 逃れようとしても、 いつかは命の果てが 大口で僕らを喰らうんだ。 愛は戦いだった―― 手に入れたり手放したり。 目を逸らすな、 その血の跡から花が咲くまでは。 夜明けの空をスロウボートは進む。 赤・白・青のたなびく彼方まで。