縁もゆかりも ない船だって 港出るときゃ つらいのに ましてあんたを 乗せて行く 瀬戸の小島の 通い船 涙見せない 約束だから かくれて桟橋 袖(そで)しぼる <♪> 下津井港(しもついみなと)にヨー 錨(いかり)を入れりゃよー 街の行灯の 灯が招くヨー <♪> 波のまくらで まどろみながら しばし女の 夢をみた 三日三晩は 早すぎて 別れうず潮 霧の花 抱いておきたい 思い出なのに 捨てなきゃ飛べない 磯千鳥(いそちどり) <♪> 酒の合間に 下津井節を なさけ名残に 口うつし 扱(しご)き結んだ 格子窓 見える筈(はず)など ないけれど もしも見えたら わたしの胸に 汽笛を鳴らして もういちど