切った後の爪みたいな月が浮かんで 何度薄い紙をかさねたら辿りつける 寂しくて遠い場所へ 今日連れ出してよ 痺れる手を握っていて もう離さないで 私の中で生まれたものよ 私と共に死んでくれる 熱くなった身体 もう誰にもさわられない 知ってる痛みがこみあげるの だって無様な氷鬼 屈託ない笑みのような夢が終わって たった今からははしたない獣になる 滑らかな輪郭を確かめてみても 浅ましく灼けた指が目に余っている 私の分まで泣かないで 私が姿を晦ますまで 胸と胸あわせて この心臓を潰してほしい いつも途中で手を離すね だって真暗な影鬼 心地よい風に包まれて やわらかな光が零れて ひたすらに神様はいないと 微笑んでいたい 始まりは貴方だった お仕舞いも背負ってよ 私だけが邪魔な世界 手の鳴る方へ 灯に掻き立てられる私を 手招きしたのは…? なんて気づけば一人鬼
