跨いだ記憶は曖昧なまま 通り過ぎてた季節の境目 袖通す事なく しまうクローゼットの奥 長すぎた夏のせいだ 香る金木犀のハンドソープ 身に纏うウール 吐く息は白く 待ち焦がれたシーズン 期間限定のグッズ 堪能出来ない理由 先取りされた師走 抑揚のない季節のグラデーション 置き去りになった思い出の 残り香を抱きしめる 感じずにはいられない年の瀬すら 日替わりの寒暖差でよそよそしい 抗っていたって 破り捨てたカレンダーは戻らない 恋焦がれる四季折々に 木枯らしすら遠くに感じる 断腸の思い 寒色を纏う 無言で折られた話の腰を 吐き出す為のブルース 抑揚のない季節のグラデーション 置き去りになった思い出の 残り香を抱きしめる