耽溺(self cover)

歌詞

揺れる車窓 つり革に手首を縛られてるのだ うつむき、 睥睨する黒ネクタイの群れ 入社式を 終えてからの記憶が 走馬灯のように流れているのだ 働きすぎて病気になった同僚を 一人二人と数えるうちに たどり着いたよ心療内科 僕だけは大丈夫なんて言ってた 結果が 一日3錠のデパス、デパス、 デパスなのだ 増えてゆく薬の量に 止まらないセロトニン再取り込み 阻害 今日も夢をみる 職場でゲロを吐き、 上司のデスクに倒れる夢を見る 生きるために働くのか? 働くために生きるのか? 現代の蟹工船には今日も黒服を来た 労働者の慟哭が聞こえる 快速電車から絶え間なく 聞こえている 今日も絶え間なくその慟哭が 聞こえている 関関同立卒業しといて、 上場企業に内定もらって 身体を壊して病気になって、 聞こえてんのかこの体たらく 何のために生まれて何をして 喜ぶのだ? 教えてくれよアンパンのマン 運動をして、日光を浴びて、 口角を上げて笑顔をつくれ 聞き飽きてんだよそのことば ことば代わりに耽溺をくれ 目を覚ます夜中の3時半 死ぬほど覚醒して眠れない3時半 28連勤残業 100時間越えの俺に朝は訪れない ストゼロをモンスターで割って 飲め、 その苦しみごと臓腑に放り込め 一日8時間Xを見つめてる 思考停止した脳髄で 射幸心をあおられてる ああまた今日も人身事故 JRと阪神で人身事故 「飛び込む勇気があるなら 仕事やめちゃばいいのにー」 とかほざくガキに心から 説教したい、小一時間説教したい 酒を飲む、胃を満たす、 クソを垂れて、 泣きながらベットの上に倒れ込む 今日も飲む3錠のデパス 夢中になれるものを探す、 くだらねえ 36歳のハローワーク 元気に空から逝ってやるのだ 筋トレをしろ、日光を浴びろ、 口角を上げて笑顔をつくれ 聞き飽きたんだよそのことば ことばの代わりに耽溺をくれ 人の言葉を気にしすぎているのだ くだらないことで 悩みすぎているのだ 人生の目的を見失っているのだ 今日も僕は薬を飲んでいるのだ 秋がやってくる 1週間で死ぬ蝉には 数分の鬱病罹患を 80年の人生には3秒の幸福を 神様神様神様 WIFI 完備の現代でどうして 僕はこんなに薬に溺れてるのだ 運動をして、日光を浴びて、 口角を上げて笑顔を作れ 聞き飽きてんだよそのことば ことばの代わりに耽溺を