部屋の中は雑然として 物語とするにはあまりに殺風景 止まる事なく頭を巡る情景と 陳腐な実態の乖離は 私を壊すには十分だった あなたに見せた氷山の一角 海底に沈んだ数多の情緒 あなたに見せた氷山の一角 誰にも見せない氷山の一角 私の孤独はそこにある 不覚にも生きている証明 多方向に広がる懐疑に 私の鼓動は鳴り響いた あなたに見せた氷山の一角 見せる筈のない私の無自覚 あなたに見せた広範の痛覚 あなたに隠した氷山の一角 どれも私よ居なくならないで 全てを見せるのは重荷と 分かっているから 一つだけ我儘を聞いて 「全部分かって」など言わないから 全部分かった様な顔をしないで頂戴 「全部分かって」など言わないから 全部など分かれないと分かっていて あなたに見せた氷山の一角 ただ抱きしめて欲しかったのよ あなたに見せない氷山の一角 誰にも見せない氷山の一角 私の孤独はそこにある
