「土曜日の朝の空気を 袋の中につかまえて、 育てて増やせたなら 悩みもなくなるのかな?」 そんな妄想は 二度寝のまどろみの中に 溶けてまた破綻した。 特別悪くないけど、 強い陽ざしも雨も 好きにはなれないから またまだ寝転がってる。 晴れた日には お気に入りの店まで 歩いて行こう、とか 柄じゃないし。 短い季節を待っていたら 日々はめくり巡って灰になる。 いつか本当になる前に 思い出は沢山残さなきゃ、なのに。 十五分、って決めた昼寝で スヌーズは聞こえなかったようだ、 意識も記憶も曖昧だ。 ずっとこんな調子じゃ 調子が狂うから、 あてのない旅でもいい。 海まで行こう。
