些細な言葉の一個 足りなくて 多くって また平行線を辿る 月明かりに吹くビル風 強い言葉を選んで ちゃんと傷がつくように罵ってから 部屋を出た いつからだろう あなたの背中が少し小さく見えた 強い人じゃなくて 強がりが上手な人 あれからもう どれほど時は流れただろう それなりの日々を束ねて 胸張っていても 色んな人に出会うたび鏡のようさ ぼくのなにもかもが あなたを写している 誰かに言われる前に 予防線を張るように 自分がダメなんですと言う 傷つけられるくらいなら 強い言葉を選んで ちゃんと痛いとこ突いて 自分をさげすんで笑う 誤魔化せていたのに あなただけは いつも悲しそうに見ていた 放っておいてほしくて 優しい手 振り払った そして誰もいなくなれば望み通りと 突き放すための言葉を口にするほど 「そばにいてほしい」と 泣き叫ぶ子供のよう 一人きりで 生きてきたような顔してても あなたの背中を追いかけて走った 優しい人だけど 優しさが下手な人 あれからもう どれほど時は流れただろう なんにも変わってないよ ぼくもこの街も つよがりが 上手なとこばかり似ているよ ただ弱さを誤魔化すことは もうしないよ 吹き荒ぶ風に挫けそうになるけれど 笑いながらつよがりながら 生きているよ 色んな人に出会うたび鏡のようさ 僕のなにもかもが あなたを写している