夜になれば先は見えないから 太陽のいるうちに あなたはあの山を越えて行くの 私はもう歩けないの アカシアの木に登り 夢に見た 少女の方舟は もう 白昼の波に攫われ 僕らだけが覚えてるね 頬を伝う 涙は 氷点下を下回り こびりついた 遠ざかる声 泣かないで 泣かないで ワンダーフォーゲル 雲の上を歩いた あなたは ずっと自由よ ずっと止まらないで 身体が浮いた瞬間は どんな気持ちだった また会える日まで さよなら ワンダーフォーゲル 冬の水は鋭く牙を剥くから 暖かな日のうちに あなたは湖を飛び立つの 私はもう忘れ去って アカシアの丘に登り 夢を見た 少年の方舟は もう 白昼の海に鎮まり 僕らだけが覚えてるね 帰ろうよ 涙は 雨になってあなたに降り注ぎ まだ残る 遠ざかる声 泣かないで 泣かないで ワンダーフォーゲル 雲の上を歩いた あなたは もっと自由よ ずっと止まらないで 身体が浮いた瞬間は どんな気持ちだった また会える日まで さよなら ワンダーフォーゲル