さあママ町を出ようよ 激しい雨の夜だけど 仕度は何もないから はだしでドアをあけるだけ 形見になるようなものを 拾うのはおよし 次の町ではそんなものは ただ邪魔になるだけ いつもこうなることぐらい わかりきってるものだから 必ず町で一番 暗い酒場でママは待つ こんどは西へゆこうか それとも南 愚痴はあとからきいてあげるから 今は泣かないで 東の風が吹く頃 長距離バスが乗せてきた あの人の黄色いジャケツ それから先は おきまりどおりに家を飛び出した 遠い遠い昔のこと 何度も人違いをしたわ あの人にはめぐり逢えず 旅から旅をゆく間に 顔も忘れてしまってた それでも旅を忘れて 悲しみを捨てて ひとつ静かに 暮らしてみるには 悪くなりすぎた いつか東風の夜は 私の歌を聴くだろう 死んでも旅を続ける 女の歌を聴くだろう 片手にママと名付けた 黒猫を抱いて 暗い夜道で風を呼んでる 声を聴くだろう 東の風はいつでも 長距離バスを乗せてくる あの人の黄色いジャケツ それから先は おきまりどおりに家を飛び出した 遠い遠い昔のこと さあママ町を出ようよ 激しい雨の夜だけど 仕度は何もないから はだしでドアをあけるだけ 形見になるようなものを 拾うのはおよし 次の町ではそんなものは ただ邪魔になるだけ 東の風はいつでも 長距離バスを乗せてくる あの人の黄色いジャケツ それから先は おきまりどおりに家を飛び出した 遠い遠い昔のこと 風は東風 心のまゝに いつか飛んで飛ばされて 砕け散るまで だから風は東風 心のまゝに いつか飛んで飛ばされて 砕け散るまで