はるばると訪ねきた 北の曠野 緑なす草原と 碧(あお)き空よ あゝサロベツ サロベツ原野 シベリアおろしを 躰で受けて 生きる生命(いのち)を 生命を確かめる 誰でもが傷だらけ 胸の内は 語らずに嘆(なげ)かずに 血潮燃やす あゝサロベツ サロベツ原野 弱気になるなと 大地の声(うた)が 今も魂(こころ)に 魂に木霊(こだま)する 幾千の歳月(とき)を経て 咲きし草花(はな)よ 我もまたひとすじに 夢を咲かす あゝサロベツ サロベツ原野 地平を染めてる 夕陽の彼方 明日も男の 男の人生(みち)をゆく