カーテンの向こうに 夜明けが満ちてくる気配 遠い夢をみていた 蒼い小径の中 深い霧に佇む影 懐かしい恋人の 思い出さえ置いていった 何も言わなかった 泡沫と消えてしまった 退屈なヴァカンス このままいくつもの季節が 通りすぎて このまま忘れてゆくのでしょう 甘い記憶はスローモーション 古いエアメイルと 色褪せたアドレス帳 トランクの奥底 星影のパノラマ 夕立が窓を叩く音 鮮やかによみがえる けれど返事は出さなかった 何も言わなかった 泡沫と消えた二人の夏のロマンス このままいくつもの季節が 通りすぎて このまま忘れてゆくのでしょう 遠い記憶はスローモーション