春風をかき分け 自転車はゆっくりと走り出す 君を後ろに乗せて 倒れないようにバランス取りながら 二人分の重さを 確かめるようにペダル漕いだ 桜舞う小道を抜け 商店街を通り過ぎて行く 長い坂道 君を乗せたまま 登り切ってみせるなんて 少し無理して てっぺんを目指す 汗ばむシャツ どんな未来が待っていようとも 僕が必ず守ってみせる だからしっかりと掴まってて 背中に感じる温もりが こんなに優しくて愛しくて 君がいるそれだけで強くなれるんだ 坂道の向こうに 何があるのか分からないけど 二人なら何処までも行ける気がした だからこれからもずっと… フラつきながら ペダルを踏み込む 「登れるはずない」って 君は不安そうにつぶやくけど 後ろに乗せた君の重さが 僕の心を軽くしてるんだ どんな未来が待っていようとも 僕が必ず守ってみせる だからしっかりと掴まってて 風を集めながら 自転車は 少しずつスピード上げてゆく 君がいるそれだけで強くなれるんだ もうすぐ新しい景色が 僕らを待っている