晴れ 某日。踏切前 選んだ花束は父親が持ってた 言葉のない あなたへ向かう もしも今 僕を見たらどう思うのだろう? 久しぶりだね、何を話そうね、 大人になったろう 歌を歌っているよ。 怒るだろうか?呆れるだろうか? 火を灯して 燻る 空高く 青色がよく似合う 拝啓 ここには居ないあなたへ あなたは全てを 伝えていたんだろうけど 小さな手では溢れてしまったよ パズルのピースも、おもちゃも、 ブローチも …返事はないけどさ 言葉遣い 色は匂えど 買い与えられた 分厚い本どこに行ったんだ 物語より 人の世は奇なり<グリムでも イソップも> 知り得ない こんな風な感情が 僕にあるってことを 多分あなたのおかげなんだよ またこんな 歌詞がこの世に生まれたから 長く生きるもんだと思うのに あなたへ歌ってる。 唄ってる。 謳ってる。 足元につたう草を踏みしめて 陽が降り注ぐ石の間を歩く 水桶の音 じゃあね、また来るね。 火を片して そのまま手を振ろう 拝啓 そこに眠るあなたへ 涙とかじゃなく言葉が溢れてくる もしも今 聞こえてるとしたら 笑ってくれてる?いや、多分 叱るかなぁ 「可笑しな歌だね」と。 敬具 はまた今度