ページの間に 置き去りのため息 時計の針が 静かに滲んでいく ガラス越しの茜が 指先を染めて 名前を呼べないまま 秋がおりてきた 煌めく埃が 宙を漂って 僕らの呼吸を 確かめ合う 言葉より早く 心が触れて 見えない未来を 照らしていく ノートの余白に 書きかけの秘密 風に舞う落ち葉が 答えを急かす 君の笑顔だけが 日常を変えて 閉じ込めた記憶を そっと解き放つ 煌めく埃が 宙を漂って 僕らの呼吸を 確かめ合う 言葉より早く 心が触れて 見えない未来を 照らしていく 夕陽が沈んで 色彩が混ざる 迷いも影さえも 光に変えていく この瞬間を 手放さないまま 時を越えて 響く音になる 煌めく埃が 宙を漂って 僕らの呼吸を 確かめ合う 言葉より早く 心が触れて 見えない未来を 照らしていく 秋の放課後に 残る余韻に 僕らは光に なっていく
