何も知らず 何も持たずに 転がるままに ここまでやって来た 季節はめぐり 景色はうつろう 陽炎のように いつだって揺れていた 焼け付く夏の日差し 凍りつく冬の静けさ この身に寄り添う 歌のよう 光に向かって伸びる 根を張って踏ん張る こんなにも小さな世界を 手探りで進んでく どこから来たの? どこまでゆくの? 昨日も明日も あまりに遠すぎる 時は駆け足 今日もいちにち 汗水垂らして 疲れ切って日が暮れるよ 雨よ 涙を笑ってくれ 風よ 迷いをからかってくれ 道端に名も無き花の咲く 光に向かって伸びる 根を張って踏ん張る こんなにも小さな世界で 泥だらけ生きてる 何も見えず 何も聞こえず 真っ暗な夜に 寝返り打っている 静まり返った街の底から かすかに聞こえる コンクリートを蹴破る音 吹き返す 春の色 突き抜ける 秋の空 この身に寄り添う 歌のよう 光に向かって伸びる 根を張って踏ん張る こんなにも小さな世界を 朝日は照らすだろう こんなにも小さな世界は どこまでも続いていく